ガリガリ亭カリカリ

呪われたジェシカのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

呪われたジェシカ(1971年製作の映画)
4.4
『ジェシカを死ぬほどビビらせよう』という原題がサイコー。
さらに音楽もずっと狂っていてサイコー。

幽霊屋敷も湖も街も、厭な雰囲気しかなくてスーパークール。安いからという理由で霊柩車に乗っていたり、墓石の拓本を取るのが趣味だったり、オモシロ不吉要素すぎる。

自分が見ているものなんて何一つとして確かではない。「想像力はあるか?」とはジャック・クレイトン『回転』での台詞だが、ジェシカは不安という想像力が豊かすぎて幽霊や血を目撃してしまっているのか、実際に客観的な現象として幽霊や血が出現しているのか、幻想か事実かを決めるのは観客次第。
そういった観客の"想像力"を信じて練られていながら、ニューロティック・スリラーの定型をなぞるだけに終始していない。

"分からないこと"それ自体の怖さ。
分かるまで想像しちゃう、いくら想像しても分からないものが分からないものとして在り続ける怖さ。
地味だけど、こういったホラーにグッとくる。