YasuoTomimoto

博士の愛した数式のYasuoTomimotoのレビュー・感想・評価

博士の愛した数式(2005年製作の映画)
3.5

博士「君の靴のサイズはいくつかね?」
杏子「あ…24です」
博士「ほう実に潔い数字だ 4の階乗だ
君の電話番号は何番かね?」
杏子「576の1455です」
博士「567万1455だって?すばらしいじゃないか 1億までの間に存在する素数の数に等しいとは」


素数
何も加えない本来の自分という意味
つまり1と自分自身以外では割り切れない数字のこと
この素数は夜空に光る星のように無限に存在します
現れ方はいかなる法則にも当てはまらない
つまり君たち一人一人のようにオンリーワンです
なんとも潔く妥協せず孤高を守り通している数字
博士がこの世で最も愛したのがこの素数です


博士
誰よりも早く真実に到達するのは大事だが
それよりも証明が美しくなければ台なしだ
本当に正しい証明は…
一分の隙もない完全な強さとしなやかさが
矛盾せず調和しているものなんだ
なぜ星が美しいのか誰も証明できないのと同じように数学の美しさを表現するのも困難だがね


博士「君の誕生日は何月何日かね」
杏子「2月20日です」
博士「220 実にチャーミングな数字だ
これを見てほしい 僕が大学時代 超越数論に関する論文で学長賞をとったときにもらった商品なんだが…」
杏子「学長賞No.284」
博士「問題なのは284と220だ」

220:1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284
220=142+71+4+2+1:284

284の約数の和は220
220の約数の和は284
友愛数だ
めったに存在しない組み合わせだよ
フェルマーだって、デカルトだって、
1組ずつしか見つけられなかったんだ
神の計らいを受けた絆で結ばれた数字なんだ

ルート
この友愛数を最初に見つけたのはピタゴラス
ピタゴラスはあの万物は数であると言った人
もちろん数はね人間が出現する以前から…
いやもっと前ですもっともっと前
この世が誕生する前からもう存在していました
いや違います
数の誕生の過程を目にした者は1人もいないんです
気がついたときにはもうすでにそこにありました
人間はね数から与えられた一部を言葉によって表現できるにすぎないんです

1184と1210
これはね1866年パガニーニ
イタリア人のニコロ・パガニーニという人が発見したペアです
なんと当時パガニーニは16歳
諦めずにどれだけ考え抜けるかです

博士
いいかい?君はルートだ
どんな数字でも嫌がらずに自分の中にかくまってやる
実に寛大な記号ルートだよ

28
完全な意味を真に体現する貴重な数字だよ
デカルトはね完全な人間がめったにいないように完全な数もまたまれだと言っている
この数千年の間に見つかった完全数の数は30個にも満たないんだよ

完全数はね連続した自然数の和で表すことができるんです
28=1+2+4+7+14
 =1+2+3+4+5+6+7
この完全数は今も神秘のベールに包まれています
この完全数が無限に存在することを証明できた者は誰もいないんです


π=3.1415926535…
i=ルート−1
e(ネピア数)=2.7182818284590452353…

πがeのもとに舞い降ります
そして恥ずかしがり屋のこのiと握手する
彼らは身を寄せ合ってじっと息をひそめています
eもπもiも決してつながらない
でもね一人の人間がたったひとつだけ足し算をすると…世界は変わります
矛盾するものが統一され…0つまり…
無に抱きとめられます
これはね18世紀最大の数学者レオンハルト・オイラーが編み出した公式です
これをオイラーの公式
無関係にしか見えない数の間にしぜんなつながりを発見しました
これはねそう暗闇に光るひと筋の美しい流星
これが博士の愛した数式です

e^πi + 1 = 1
YasuoTomimoto

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