剃刀で親分さんの髭を剃るシーンと田中絹代が息子を追いかけるシーンがとくに凄かった。そして、なんと言っても田中絹代が駕籠のなかに垣間見える息子を無音で見つめる長回し!
ヤケクソになって化け猫を演ずる田…
最初の方、若い三船敏郎が「身分などというものがなくなって、誰でも自由に恋のできる世の中が来ますように!」とか青臭いセリフを吐いて、「ケッ、ずいぶん海外、というかGHQが喜びそうな映画でございますこ…
>>続きを読む当時
溝口健二も田中絹代もスランプに陥っていたそう
だから両者の気合がバッチバチに漲っていた
ただでさえキマっている溝口の画が
この映画では気合がプラスされてるから圧巻
特に長回しは普段以上の出来…
今まで観た溝口健二作品(つってもまだ3本だけど)で一番好き!映像のインパクトは『雨月物語』『近松物語』に軍配が上がるけれど、本作は物語面でグッと惹き込まれた。一人の純真な女性が封建社会で不遇な扱いを…
>>続きを読む絶望的な虐げられ方だった。
主人公から終始受ける印象は、たくましくて強い女性ではなく、痛々しいくらいの健気さ。「時代に翻弄され度」が凄まじい。
この作品は不条理な世の中に対してのカウンター、例えば…
「どうせ死ぬんだから何やったって同じ」
残酷な希望だ。
男との、他人との完全なる決別
仏門に入ることが、女が真に自由になれる唯一の方法だった。
源氏物語に登場する、恋に疲れた女性たちは、次々と…
江戸時代の封建社会において、様々な人間(男性が目立つが、女性も無視できない)から被害を受け、不幸が続く女性の悲劇を描いた作品。かなり脚色が加えられているだろうが、原作は井原西鶴『好色一代女』であり、…
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