05.28.2021
09.10.2023
4.5から2.5への著しい降下という個人的に今までなかったケースでショック。
『西鶴一代女』と仰々しいタイトルまでつけて一人の女の下り坂しかない受難を二時間超見せる映画なのに、俺はこの女性について知れた感覚がない。ただ彼女が「辛い、苦しい」ということしか知らない。これではマネキンがズタボロにされる様を見る苦行を強いられるのに大差はない。単純に受難先行で人物造形がない。キャラクターをただ単純に苦しめるのみで時代の闇を描くのでは結局映画自体がキャラクターを搾取する形になってしまう、という一定数の映画によくあるトラップに陥っている。
歴史的価値と映像技術の高さがなければ『ブロンド』の失態と同じものとしか思えないのだが。