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西鶴一代女のokawaraのレビュー・感想・評価

西鶴一代女(1952年製作の映画)
4.0
お春が隠遁からふたたび世俗へ送り返されるときの、寺院の玄関の絶望が忘れがたい。それはすなわち、画面の中央に太く、無関心にそびえる柱であり、それを越えるともう二度と遁世は叶わないという残酷な実感にほかならない。だからお春が最後に気を失うときも、柱がまるで呪いのように彼女を囲うし、その黒光する無関心さには、ほとんど背筋が凍る思いをした。
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