殿好みの女性の容姿を老中がくだくだと列挙する詞が何とも西鶴らしく良かった。逆に言えば他に好色一代女の文句を参考にしていると思われるシーンが少なく、その点物足りなくもあった。
溝口作品は初めてであった…
僕がこれまでに見た溝口監督の映画はすべて女性の受難を描いているけど、その視線の冷徹さにはたまに本気でぞっとさせられる。長回しと静かだけど迫力ある音使いも素晴らしいし、田中絹代さんの名演も言うまでもな…
>>続きを読むヴェネチア映画祭での国際賞を受けた1本。
冒頭からゾッとするようなショットの連続。
1つの長回しの中で驚くべきことが何度も起こり、それをこうも続けざまに見せられてしまうと感嘆するしかない。
ただ…
初 溝口健二です。
運命によって、
男から男へと流れ、翻弄される女性
お春の物語。
お春を演じるのは、往年の大女優 田中絹代。
溝口健二と田中絹代は、恋仲だったそうです。
まるで「初恋のきた…
見たのはずいぶん前ですがふと思い出したので。
見た後はなんだか無性に寂しくなったのを覚えています。別に本人悪いところほとんどないのに周りに振り回されて、結局は落ちるところまで落ちる。
それこそ無常感…
”この売女が! 淫売が!穀潰しが!”
まことと思える出会いにすがれば引き裂かれ、求められその身を捧げれば用済みとされ、父母のため身を堕としてやったことは、一生付きまとい…。
諸行無常といえど、これ…