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ハロウィンH20の消費者のレビュー・感想・評価

ハロウィンH20(1998年製作の映画)
3.7
・ジャンル
スラッシャー/ホラー/リベンジ

・あらすじ
63年、ハロウィンの夜
イリノイ州ハドンフィールドに暮らす6歳の少年が実姉を惨殺した
その15年後の‘78年、彼は精神病院から脱走
以降、どれだけの重傷を追っても生き続け捕まっても再び逃げ出す不死身の殺人鬼として町を恐怖に陥れ続けてきた
最初の連続殺人で標的とされた生還者にして犯人、マイケル・マイヤーズの妹であるローリー
彼女は事件から20年の時が経った今も尚、トラウマと悪夢に苦しみ続けている
町を離れ、名前をケリー・テイトと改め、息子を産み、名門校の校長という地位を手にし、恋人に支えられてもその恐怖が拭い去られる事はなかった…
毎年、ハロウィンを迎える度に怯えて生きてきた彼女は消えない不安を酒と向精神薬で誤魔化し、一人息子のジョンを過保護に守ってきたが年頃の彼はその愛を重荷に感じ親子の間には溝が生じていく
そんな中で迎えた‘98年のハロウィン当日
死んだものだと思われていた兄、マイケルは再びローリー達に牙を剥く事となる…

・感想
’78年の名作ホラー「ハロウィン」のシリーズ7作目
今作は1・2作目の主人公であるローリーがケリー・テイトと名を変えて主人公の座に返り咲いた復讐譚
またジョシュ・ハートネットのデビュー作でもあり、守衛のロニー役としてラッパーのLL Cool Jも出演している
何故かどこの配信サイトにも日本語字幕版が無かったのでやむ無く吹替版で鑑賞

吹替版のデメリットとして喋りがわざとらし過ぎて恐怖が軽減されてしまうというのがある
その為、今作も例に漏れず字幕版で味わえる様な元来の緊迫感や恐怖性はどうしても薄まっていた印象
とはいえそれは鑑賞する側の都合でしかないので一旦良しとする
にしてもちょっと物足りなかったかな…

1作目の主人公が再び殺人鬼と対峙する、というストーリーやシリーズの20周年作品であるという事を踏まえるとどうしてもその分、強烈な描写や演出などを期待してしまう
それにあまり応えられていなかったというのが否めない
20年という時間があったんだからローリーにはただトラウマと悪夢に苦しみ続けるだけでなくいざという時の為に鍛錬を積んでおいて欲しかったかも
終盤の直接対決におけるたくましさが良かっただけに尚更そう思う

またドナルド・プレザンスの死去に伴ってずっとマイケルを追い続けてきたサミュエル医師が今作から不在になっている
それ自体は仕方ない事なんだけど冒頭で彼の面倒を見てきた看護師が殺される前にローリーのファイルを見つけるシーンがあったんだから彼の遺した記録が何かしらの形でローリー達を助ける展開があっても良かった気がする

そして舞台がハドンフィールドではなくなった点についても理由はちゃんとあるからそうなるのは分かるけど、それなら因縁の表現としてもっとジョンにも被害が及んで欲しかったかな…
それでこそローリーの復讐がより輝くはず

とまぁ惜しい点は割と多かった
けど3作目みたいなつまらない内容という訳ではないし前作からマイケルがクライマックスに人間的な感情を少し見せていたのが今作のスカッとするラストに繋がっていたりと決して悪くはない
ゴア描写もちゃんとあるにはあるし、ローリーの複雑な心境も掘り下げられていたし
単純に自分が期待し過ぎたのかもしれない
それでも肌の爛れくらいは徹底して欲しかったけど…w

しかしこの結末だと次作は一体どうなるんだろう?
タイトルはレザレクション(復活)となっているけど不死身とはいえああなっちゃうとさすがに無茶なSF展開でもない限りどう続けていくのが読めない
でもだからこそ楽しみでもある
期待…して良いんだよね…?
消費者

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