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探偵事務所23 くたばれ悪党どものstanleyk2001のレビュー・感想・評価

4.0
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』1963年(昭和38年)

大藪春彦企画・原作。ギャング同士がヤバいブツを取引する現場を第3のギャングが急襲しブツを横取りする事件が発生。冒頭の襲撃場面から主人公・私立探偵、田島英雄(宍戸錠)の登場までのテンポが良い。

ショートカットにメガネに男物スーツで大阪弁を喋る探偵初井言栄さんがキュート。

田島は警察署長から偽の身分と拳銃を手に入れてギャング組織に潜入する。潜入捜査ものとギャング同士を戦わせるハメットの「赤い収穫」の筋書きをミックスして退屈させない娯楽作品になってる。歌い踊る場面もあって楽しい。

「きけ、わだつみの声」で大学教授を演じた信欣三さんがギャングの副首領・畑野。頭が切れて非情な紳士。若い女性・千秋(笹森礼子)を伴っているが畑野は不能者。宍戸錠と笹森礼子を地下に閉じ込め盗聴器で彼らが愛し合う声を聞いて憎悪と屈辱に歪む表情が怖い。

大型トラックを使ったアクションや火災場面も迫力あった。

ギャングの部下・川地民夫のマンション。入口のあたりだけ赤い照明が印象的。なんで赤い照明なのか理由がないのが清順さんらしい。
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