イチロヲ

探偵事務所23 くたばれ悪党どものイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
銃器の裏取引に介入したギャング団の正体を突き止めるべく、私立探偵(宍戸錠)と警察署が連携プレイを決行する。大藪春彦・著「探偵事務所23(ツースリー)」を原作に取っている、ハードボイルド映画。

お洒落なジャズ・ミュージックをバックにして、気骨のある探偵が危険な諜報活動を決めていく。一応のところ、バレるかバレないかのサスペンスが盛り込まれているが、陽性のエンタメ路線のため、緊張感は皆無に等しい。

組織同士の衝突シーンでは、引きの絵を利用しながら、画面の左端から右端まで、ギッチリと人物を配置。もはや笑っちゃうレベルの発砲数を誇っており、手前に出てきた仲間の背中にフレンドリー・ファイアーしているようにしか見えない。

サスペンス要素では、主人公の素性を知る踊り子(星ナオミ)の存在と、裏方業務に徹している警察組織の暗躍が、絶妙なアクセントを作っている。敵対者(信欣三)の顔面ピクピク演技も堂に入っており、清順組メンバーの芸達者ぶりを楽しむことができる。
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