滝和也

探偵事務所23 くたばれ悪党どもの滝和也のレビュー・感想・評価

3.7
エースの錠!
清順作品初主演。
探偵に扮した彼が
ギャング相手に大活躍(^^)
アクションの日活が贈る
ハードボイルド作品?!

「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」

清順作品をしばらく追ってきましたが、こちらは比較的初期の作品。宍戸錠を主演に迎えた初作品で、この後先日レビュー済みの野獣の青春、殺しの烙印へと繋がっていくそうです。

それ故、清順色がまだまだ薄く(美術監督も違いますね)、日活らしい現代アクションになってます(^^) もちろん一部の華やかな色彩、いきなりミュージカル風に歌い出す(エースの錠がステップを踏みます(^^))と言うらしさは垣間見れ、この作品後により強調されて行くのが分かります。

またそのハードボイルドの枠に収まらないスタイリッシュな雰囲気、コメディテイストを踏まえた台詞回しのオシャレさは、早過ぎた傑作なのかもしれません。所謂松田優作演じた探偵物語、007シリーズの様な独特の軽さを感じるんですよね。

ストーリーもヤクザの取引を襲う謎のギャングに警察に依頼された探偵が潜入し、正体を暴くと言うもので、そこに謎の美女が絡むと言う…。後にシティハンターや俺たちは天使だ!の中で使われそうな内容で、それらはこの作品の雰囲気に似ているのも事実なんです。日活のヒーローものやアクションものはある意味荒唐無稽でしたし、影響力もあったはずですよね。

エースの錠のマシンガンをぶっ放すシーンはやはりらしさがありますし、警察の課長が金子信雄(笑) 裏切るかと思いましたよ。また二人のヒロインもキャラに明暗ついていて両方素敵。台詞もイカしてます(笑)

探偵もの、スパイものとして王道を行く内容でしたし、全体を纏うスタイリッシュさが素敵な作品です。このあたりから清順作品を見ると変化が分かって楽しいかもしれません。題名もイカしてますから(笑)
滝和也

滝和也