三次元からきたブロンディ

深夜の告白の三次元からきたブロンディのネタバレレビュー・内容・結末

深夜の告白(1944年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

『深夜の告白』面白かった。サスペンス映画でそれに白黒映画で結構好きになった作品。

この映画フィルム・ノワール映画ですけど、‘‘映画史に残る傑作”なのは分かる気がします。
映画の物語自体は‘‘間男が保険金目当てに奥さんと共謀して旦那を殺すものの、段々ボロが出て来て破滅する”どこもありきたり映画ですけど、そこをビリー・ワイルダーが上手く演出しているのが見事だと思います。

この映画は重傷を負ったネフの独白の録音→回想から始まるんですが、ネフとフィリスが旦那を殺して保険金を手に入ると思いきや調査官キーズに徐々に追い詰められ、フィリスの過去や本性が明らかになることでお互いに殺し合うハメに陥る。
フィリスがネフを撃つのをためらうシーンは実に素晴らしいです。でも結局、ネフは彼女を全く信用出来ず彼女を射殺するんですよね。
そしてネフの独白は全てキーズに聞かれ、ネフはケガのせいで倒れ、最後ネフはキーズにタバコに火をつけてもらって映画が終わります。ここのシーンカッコ良くって素晴らしかった。

原作はジェームズ・M・ケインの『倍額保険』をビリー・ワイルダーと『私立探偵フィリップ・マーロウ』シリーズの原作者であるレイモンド・チャンドラーが脚色してるんですよね。チャンドラーも脚本に参加していて、ミステリー度が増していました。

役者も良いですね。ネフのフレッド・マクマレイ、フィリスのバーバラ・スタンウィック、キーズのエドワード・G・ロビンソン。
フィリス役のバーバラ・スタンウィックは絶世の美女的な感じでしたね。彼女はこの映画で初めて‘‘ファム・ファタール”を演じ、髪もブロンドのカツラを被り撮影に臨んだそうです。
あとキーズ役エドワード・G・ロビンソンも良いですね。脇役なのですが、ちゃんと存在感のある保険調査員を演じています。

『深夜の告白』結構古い作品なのですが、絶対に面白いと思うのでオススメです。