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深夜の告白のtaigaのネタバレレビュー・内容・結末

深夜の告白(1944年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

ひとりフィルム・ノワール特集。10本目。
大好きなワイルダー監督作品は6本目。

チャンドラーとガシガシやりながら書き上げた脚本、主人公ネフの独白でストーリーを展開する演出、当時の治安を考えるとチャレンジングだったという夜間の撮影、と隙がない。

FNやサスペンスとしてだけでなく、愛憎劇、会話劇としても楽しめ、その後この手の映画やドラマが量産されていることを考えると後世への影響も多大。

他のFNと比較すると、やはりワイルダーの脚本が洗練されており、ディートリクスン殺しの翌日キーズが事故説を主張して上司と対立したり、ネフに嫌疑がかけられるもキーズが彼の身の潔白を訴えるなど、視聴者を持ち上げた後でストンと落とすプロットがうまい。
ワイルダーのコメディとは別の到達点のひとつと思う。

余談だが、本作で保険金詐欺に立ち向かい、人間らしいキャラクターとして描かれるエドワード・G・ロビンソンが、「飾窓の女」では主人公リチャードとして、一夜の出会いに翻弄され泥沼にはまっていく老紳士を演じると考えると面白い。
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