暗がり独り、主人公の罪の告白から始まるサスペンス。
冒頭からタダならぬ雰囲気を感じる。
主役の保険会社セールスマンが艶かしい色気に放つ美女に唆されて、殺人に手を貸してしまう。
殺害した女の夫が事故死とされ多額の保険金が手に入れられたと思い浮かれていたのも束の間。
同僚で切れ者の保険調査員が徐々に追い詰められてピリピリ空気が張り詰めていく。
しまいには、手口まで言い当てられ生殺しにされているようで息が詰まる思いがした。
主人公の家へ同僚が訪ねたとき、共犯者の女がドアの後ろに隠れてやり過ごす演出は出色だった。
共犯者の女は夫が助手席で殺されても顔色1つ変えず、このシーンだけでうまく冷血さ示していた。
そんな他人のことなど気に留めることなど知らない女とは違い、同僚は主人公を思い互いに信頼し合っていた。
事あるごとにマッチの火を同僚へ差し出していた主人公。
何でもない描写がラストには友情と虚しさに変わり、余韻が残った。