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座頭市と用心棒のかずシネマのレビュー・感想・評価

座頭市と用心棒(1970年製作の映画)
3.5
これ、喜八監督だったんやなぁ。
「座頭市と用心棒」て、まるで「ゴジラとゴジラ」的な組み合わせよな。
音楽も伊福部さんやし。

最後の方の滝沢修と細川俊之のシーン〜砂金のシーン辺りが監督の本領発揮というか、らしさがとても出ていたと思った。
「大菩薩峠」と同じく、あの一連のシーンは仏教的な世界観。
それまでは結構フフっと笑ってしまうシーンも沢山あって、雰囲気は軽さの方が勝っていたが、空気がガラリと変わり。
業が深く、地獄の様に不気味な様でいて、虚しく哀しいシーンだった。
お教の様な音楽もあのシーンにとてもマッチしていた。

用心棒の初登場シーンが只寝っ転がってるだけだし、その後も酔いどれで吹く。
寝言言うシーンと米倉斉加年の物真似の「しぇんしぇ〜」は可愛いw
対して市は初っ端から格好良くてキュートなのに。まぁ製作勝プロだからな…w
市がアラカンじいちゃんの冷たい手を握ってさすってあげたシーンが大変好き。
この「2人共がゴジラ」的な組み合わせの落としどころとしては、ああするより他は無いだろうな、と思う。

若尾あややは美しい。
三船と勝新がメインだとバランスのとれるヒロインを選ぶのは中々難しかったろうと思う。
若尾文子を配しても彼女の役は完全に脇だったと思う。そんなに出番もないし…仕方がないけどな。
下っ端な寺田農は可愛らしい。
岸田森はファンデーションかドーランの色が若干緑がかった白過ぎて怖い場面があったw
滝沢修、砂金が口に入って大変そうだった…。

多分、2大スター共演のお祭り的な感覚の方が強い作品とは思うけど、思っていたよりも楽しめたので良かった。
華があるわ。

三船の足を踏んづけて勝新が出て行く場面がほんま好き。
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