ニシ

式部物語のニシのレビュー・感想・評価

式部物語(1990年製作の映画)
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香川京子さんの完勝。

社会で虐げられて深い傷を負った奥田瑛二が信仰に縋っていく流れはどこか増村みたい。

今日一日熊井啓を3本見てこの作品の構図が1番美しいかった。奥田瑛二が正気に戻り香川京子がそれを見て感涙する会話のカットバックと香川京子が原田美枝子に「大友家は任せた。」と己の身を引く会話の香川京子ワンカットアップで私は泣いてしまった。

奥堂でまぐわいをする奥田瑛二と岸恵子よかったね。もちろん岸恵子が美しいのもあるけど、話の流れで岸恵子を式部として神格化し、喧騒とは縁遠く他の部屋にいるあたりから、どうしても岸恵子に近づきたい信仰を得たいとする気持ちが高まる。だからあのまぐわいを私は求め色気を感じる。この気持ちは観客にもあったんじゃないだろうか。

この映画の奥田瑛二と岸恵子の濡れ場を個人的No. 1濡れ場と暫定しておく。
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