mare

クレマスター3のmareのレビュー・感想・評価

クレマスター3(2002年製作の映画)
4.0
ここまであらゆるものをぶった切ってコラージュする作家は観たことがないほど、今まで観た映画の中でもトップクラスに異端で混乱する。夢という説明のつかない事象に最も近づいたファンタスティックな映画だと確信した。ストーリーを捨てひたすらにイメージの氾濫。文化やジャンルなどそんな壁を一切取っ払って、目的が不明瞭な彼らの行動、謎のアイテム、現象が泉のように次から次へと湧き出て、シームレスに繋がっていく様は脈絡を否定し、人の夢を覗き見しているのかと錯覚するほど混沌としている。音楽もかなり独特でしかも使い方がいちいち面白い。インダストリアル、メタル、シンセポップが一斉に流れている景色が観れるのは圧巻。既存の価値観を根こそぎ薙ぎ倒していくかのような衝撃。目にするのは見たこともない新しいものばかり。前半で破壊が行われ、後半で予想外の邂逅が次々と訪れる。この映画を観た人しか知り得ない風景が確実にあると断言できる極彩色の宇宙が広がっている。
mare

mare