『生』×『死』
1000日間、光の届かない地下の独房で、看守に虐待を受け続けた男の、実話ベースの法廷映画。
法廷映画の中でもテーマや音楽に重厚感があり、ずしっとくる作品。
ジャケットで暗い気持ちになりそうと、毛嫌いする方もいるかもしれませんが、見終わった後の余韻には、清々しさもあります。
1000日間地下の独房で虐待を受け続けられる主人公の気持ちは、勿論ながら到底理解出来る事ではありませんが、同じ人間として、理解したくなりますし、気持ちに寄り添いたくなります。
1000日間地下の独房で過ごした主人公が、オーラルセックスをされている時に流す涙、見た人はどのような気持ちと考察するでしょう。
黒人の人種差別をテーマにした法廷映画も名作は多いですが、人種差別というものを経験していない日本人は、今作の方が同じ人間として、気持ちを理解したくなるかと思います。
看守の"世界の支配者"となったような錯覚に陥る心理は、未熟な生き物である人間としては、そうなるのは当たり前だとも思ったりします。
教習所ですら"支配者"になった気でいる教官が必ず5人ぐらいはいますし。
人間はもうそういう生き物なので、そういう錯覚が起きないように、看守を常に監視する第三者機関とかがあればいいのにとか思ったり。
このような収容所が世界にはまだ存在してると考えると恐ろしい。
話逸れましたが、勝利と敗北の意味という重いストレートを食らう作品です。
意味のある"勝利"敗北"生死"
意味のない"勝利"敗北"生死"
選択するのは主人公。
自分ならどのような選択をするか。
かなり好きな作品でした。
未鑑賞で興味がある方は是非clipを🐈