おバカ犬

告発のおバカ犬のネタバレレビュー・内容・結末

告発(1995年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

アルカトラズ刑務所からお送りするのは実話を元にした(というのは言い過ぎらしいが)法廷映画『告発』だ。

貧困に耐えきれず5ドルを盗んだ罪でアルカトラズに収容された囚人のヤングは一度脱獄を企てたせいで3年もの監禁、拷問を受ける。それによる精神の崩壊から所内で殺人を犯してしまい、告訴される。その弁護を任されたのが、新米弁護士のスタンフィルであった。

前半のヘンリーヤングに対する非人道的な扱いを見ていると気持ち悪くなってくるな。そしてそんな非人道的な刑務所を打ち負かすための秘策は真摯に向き合うことなのだ。

直向きに努めることで生まれる奇妙な友情。一度弁護士を外されてしまった後、私立弁護士として再開するシーンはグッとくる。窓越しに写り重なる彼らの姿が素晴らしい。

また、俺はケビンベーコンが別に好きではないんだが、本作での役柄と名演には称賛しかない、狂気伝わる彼の演技は必見だ。

一方で法廷では勝利したとしても、やはり人生においてはヤングの過ごしてきた悲惨な日々を思うと、素直に喜べないところがこの映画に高い訴求力を与える所以であろう。どんな理由があれ、人をゴミのように扱う行為は断じて許されるべきではないのだ。

テーマソングもいい。調べても出てこないけど。あと、DVDのメニュー画面をかけっぱなしてると聴けるんだけど、最後の方でガン…ガン…ガンと不自然な音が入るのだが、本作を観終わるとその意図が読み取れる。そんな作りがまた素晴らしい。

『アラバマ物語』に並ぶ超絶オススメの法廷映画であった。あまりこの手の作品は観てこなかったけど、もっと観ていきたいな。以上!
おバカ犬

おバカ犬