ジュライ

告発のジュライのレビュー・感想・評価

告発(1995年製作の映画)
4.5
アルカトラズ刑務所が舞台の実話ベース系。
三沢知廉は「日本の刑務所はアルカトラズより脱獄が難しい」と書いてましたが、まあ脱獄王の白鳥由栄がいたしね。

とにかくケヴィン・ベーコンの演技力が限界突破してて、彼の表情の一つひとつ、瞬きの一つひとつまで見逃したくないと思わされました。
悪役は演じるのが難しいと俗にいわれますが、難易度でいえばたぶん最上級は「狂気の演技」ですよね。
思考問題の「蝙蝠であるとはどのようなことか」と同じで、狂気の渦中にいる人がどんな世界に生きている(と感じている)のかを、狂気の経験がない人が正確に想像できるわけがないから。
ケヴィン・ベーコン自身が人生の中で狂気を垣間見た瞬間があったかどうかは知らないけど、少なくとも実際の患者たちの表情や仕草はおそらくかなり研究したのでしょう。
あの全身を覆い尽くす惨めったらしいオーラ、演技でどうやったら出せるんだろ。
ジュライ

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