りょーこ

独立機関銃隊未だ射撃中のりょーこのレビュー・感想・評価

独立機関銃隊未だ射撃中(1963年製作の映画)
4.4
凄惨な人間の叫び!これこそ戦争の真実の姿だ!

第二次世界大戦末期、たった5人でトーチカを死守した漢たちを描いた60年代モノクロ戦争映画。

戦車がミニチュアだったり、ほとんどがトーチカ内の会話劇だったり低予算な感はありますが、そのドラマが見事でした!

どのキャラクタも個性的で魅力的☆

特に大好きな佐藤允兄貴、寡黙な彼が自分や家族、将来を語るラストの長台詞は素晴らしかった!!!



1945年8月。
ソ連と満州の国境近くにある機関銃のトーチカ"キの3"。

快活な山根軍曹(三橋達也)率いるトーチカに、17歳の志願兵・白井(麦人)がやって来た。

寡黙な渡辺上等兵(佐藤允)やインテリの原一等兵、金子一等兵に演習やルール、そして自決の方法を教わる。

が、ソ連軍が優勢となり戦車まで投入、味方飛行隊は撤退、そして他トーチカも全滅。

残った唯一のトーチカを、5人は死守するのだが……



死にたくなかったら戦え

爆撃を受け、戦車にも攻撃され、歩兵には手榴弾を投げ込まれる。

俺に弾はあたらん!と皆を引っ張る山根の力にも限度があり、一人また一人と狂い、死んでいく。

ラストはホラー映画より壮絶でした。。。

寡黙ながら、お酒が出てきた時や妻子の話をする際には表情が緩む渡辺が良い。

貧しい百姓から軍隊に入り、文字も覚えた彼がカタカナで遺書を認めるシーンは胸が熱くなる。

戦争映画はみんな同じに見えることが多いけれど、今作は志願兵を連れてくる兵士や中尉など、ちょい役でもしっかりと個性が見えるのがイイなぁ~

その分一人一人の命の重さもずっしりと感じられる。

ツラく悲しく凄惨な戦争映画だけれど、今こんな世情だからこそ多くの方に観て知って欲しい作品でした。
りょーこ

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