sonozy

独立機関銃隊未だ射撃中のsonozyのレビュー・感想・評価

独立機関銃隊未だ射撃中(1963年製作の映画)
4.0
1945年8月、終戦間近の旧満州のソ連国境付近。
コンクリートで固められた狭いトーチカ陣地を死守する5人の守備兵の物語。

酒で気合を入れるベテランの班長・山根(三橋達也)、朴訥とした射手の上等兵・渡辺(佐藤允)、調子のいい狡猾そうな一等兵・金子(堺 左千夫)、おとなしいメガネの学徒兵・原(太刀川 寛)と、着任したての初々しい少年志願兵・白井の5人は、他に数カ所分散しているトーチカ陣地に潜む仲間と守備兵の任務に当たっている。

ソ連軍の攻撃が激しくなる中、小隊長の小栗(夏木陽介)から「“死守”という方針が決まった」と告げられる。
死を覚悟する中で、届くはずのない遺書を親や子供に書く兵士たち。。

日本語の女性の音声で投降を呼びかける敵軍。揺れ動く心。だが投降など許される環境ではない。

どう見ても勝ち目のない状況下で恐怖に耐えながら追い詰められていく守備兵5人の姿を、狭いトーチカ内部のワンシチュエーションで描く緊迫感溢れる戦争ドラマ。

タイトルの「独立機関銃隊未だ射撃中」の虚しさ。間もなく終戦となるこの時期に、孤立無援、敵軍の戦車にダメージを与えることすら出来ない重機関銃を放ち続けるしか出来ず、まさに無駄死にしていく兵士たち。。

戦争が昔話となる日はくるのでしょうか。。

Thanks りょーこさん。これは隠れた名作ですね。
sonozy

sonozy