片腕ファルコン

FAKEの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

FAKE(2016年製作の映画)
3.5
2014年、2月。

友達で天才的に頭のイカれた男がいまして、風貌が渦中のあの人に似ている事から【佐村河内山】と名乗って(自分の本名と文字ってます)バンドメンバー募集。募集パートは【ゴーストライター】とした事でツイッターで話題になり、朝のニュース番組でも報道されてしまった。なかなかのウマイ受け答えで、このままゴールデンタイムにも進出するんじゃないか…と期待していたが…結局TV出演はその1回きり。そして張本人の佐村河内と共にメディアから消えていった。。 

あれから佐村河内守は何をやっているのか。。新垣隆の暴露によって完全に明暗を分けてしまった2人。何が真実で何がフェイクなのか。。

オウム真理教の信者たちを報道に踊らされる事なく、内部の様子を撮り続ける事で1人の人間としての人物像を浮かび上がらせて、観客をハッとさせた森達也監督。彼が15年ぶりにカメラを回させた被写体、佐村河内守。

待ちに待った作品って事で初回を90分前にチケット買いに行ったら既に立ち見だった。。恐るべき注目作。地べたに座って見たけども。

佐村河内と奥さんとネコ。その静かな空間に森達也が入り込む。序盤は距離感を感じるものの徐々に「達也さん、タバコ吸いに行きましょう」なんて言う始末。

撮り方はあくまで『A』と同じ。長期戦なのだ。
佐村河内の生活はほぼ引きこもり。食事も質素で豆乳が大好物。バラエティに出ずっぱりの新垣隆を冷ややかな視線で見つめたり。新垣隆がファッション誌にドヤ顔でキメてるのを冷ややかな視線で見つめたり。。(場内爆笑)

佐村河内もなんとか表舞台に引っ張り出そうとするテレビ局が自宅に企画説明しにくるのと対照的に海外メディアが取材しに自宅にくるのですがそのシーンが個人的には一番見もの。日本とのマスメディアのあり方の違いがハッキリと現れてました。

そしてクライマックスへと向かうのですが…結局のところ、個人的にはショッキングな内容とまではなりませんでした。勝手にもっととんでもない映像が写りこんでると思い込んでしまってました。(いやあるんですけども!!)
とは言え、メディアによって作りこまれた人物像と本当の姿、そして未来など興味深く見れたドキュメンタリーであった事は間違いありません。

監督、次はSTAP細胞の小保方のドキュメンタリーお願いします!!