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ジンジャーとフレッド
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『ジンジャーとフレッド』に投稿された感想・評価

本日10月31日はフェデリコ・フェリーニ監督の23回目の命日。
生きていれば96歳になります。

晩年のフェリーニが自身の常連俳優マルチェロ・マストロヤンニと公私のパートナーでもあるジュリエッタ・マシーナをW主演に迎えて製作した意欲作。

クリスマス特番の出演を依頼された元モノマネ芸人のジンジャーと、30年前に別れた相方フレッドがテレビという媒体で再び共演を果たす一日を描きます。

かつて二人が活躍した芸能の世界はすっかり姿を変え、時代はテレビが世の中の娯楽を牛耳る昨今。
こけおどしのように雑多に取り繕われたテレビ業界の暗部をこき降ろしながらも、その中で懸命に輝かしい青春の瞬間を取り戻していく二人に胸が熱くなります。

常にイタリア社会の退廃を作品に取り入れてきたフェリーニですが、テレビに対しては並々ならぬ異議があったようで、思えばかつて皮肉満載のクリップ短編集も残していましたね。(IVCデジタルリマスター版「甘い生活」の特典ディスクに収録)

老いた二人が如何なる状況であれ有終の美を飾ろうとする芸人魂は、晩年のフェリーニが映画監督として常に抱えていたテーマでもあっただろうし、特に相棒ニーノ・ロータを失った彼にとって(キャスティング面から見ても)本作は強い大志を持って挑んだように思います。

変わってしまったもの、そして決して変わらぬものをフィルムの中に丁寧に収めたフェリーニの思いは観る者の心にきっと伝わるはず。
フェデリコ・フェリーニはヨーロッパの映画監督さんでは学生時代に一番ハマった人物かもしれない。本作も少なくとも3回以上はレンタルビデオで鑑賞している筈だが、何十年ぶりかの再鑑賞。

晩年のフェリーニ監督作品では、「そして船は行く」「インテルビスタ」と並んで大好きな作品。一つの名シーンがいつまでも記憶に残る作品ってのは、それだけでその人にとって名画だと思うが、自分は、本作のローマ、テルミニ駅でもう二度と会うことはないであろう二人が別れ、駅構内の電灯も徐々に暗くなる中、列車が去って行くラストシーンが、お祭り騒ぎ(フェリーニ作品らしく言えばサーカス)が終わった後の何とも言えぬ寂しさに満ち満ちていて無性に好き。

ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアは1930~40年代にハリウッドでミュージカル映画で全盛期を送った大スター。フレッド・アステアは、「タワーリング・インフェルノ」の未亡人に片思いをする寂しい詐欺師の老人役で記憶にある方もいるかもしれない。

さて、本作では、この二人のモノマネ芸人としてイタリアで一世を風靡したカップルがテレビの特番で30年ぶりに再会、共演する姿を描く。ジンジャー役にはフェリーニ夫人として有名なジュリエッタ・マシーナ、そして、フレッド役には、これまたフェリーニ作品の常連、マルチェロ・マストロヤンニ。小柄なジュリエッタ・マシーナの所作が少女のように可愛らしい。また、撮影当時の実年齢よりもかなり老けメイクで演じたマルチェロ・マストロヤンニが、どんなに白髪で禿げてようが、しょぼくれていようが、やはりいぶし銀の渋さが光りカッコイイという・・。

最近のイタリア映画をあまり見ていないせいかもしれないし、世代がバレるが個人的にイタリアを代表する二枚目俳優と言えば、マルチェロ・マストロヤンニ、ジュリアーノ・ジェンマ、レイ・ラブロックしかすぐには浮かばない。

作品のトーンは、やはりフェリーニ色が強く、テレビのスタジオを舞台にした、まさにサーカス。沢山の小人たち、筋肉隆々とした怪力男、怪しげなマジシャン、傑作なのは18個の乳房を持つ作り物感有り有りの牛など、クセが強くも愛すべきキャラクターが次から次へと登場する。他愛のない台詞の応酬が、イタリア語が全く分からずとも、何故だか耳に心地よい。

いざテレビの生放送のシーンになると、ここぞとばかりにフェリーニの美学が花開く。ピカピカに輝く鏡とネオンライトも鮮やかなスタジオセット、玉虫色のタキシードに身を包んだMC、観覧客のエキストラ陣の服装までもがカラフルでしっかり計算されているように見える。

ジンジャーとフレッドの関係性について匂わせるような発言はあるものの、終盤まで明らかにせず、ステージ本番直前に起こる停電のシーンで、互いの表情もろくに見えない静まりかえった暗闇の中、それまでホラばかり吹いていたフレッドが、突然シリアスにジンジャーに語りかけ、お互いの積年の思いを伝え合う演出は秀逸。

サーカス調の楽曲をメインに使いながらも、効果的にピアノの演奏を使う音楽もいい。

マルチェロ・マストロヤンニがチラッと披露するタップダンスはなかなかのもの。ジュリエッタ・マシーナと二人で披露する踊りも味わい深くて心に沁みる。
【過去鑑賞】

フェリーニ作品とニーノ・ロータってニコイチだと思っとる。
ニーノ・ロータあってのフェリーニ作品だと。

黒澤と早坂。
リンチとバダラメンティ。
グリーナウェイとナイマン。
もそんな関係ではないかな。
でもフェリーニとニーノ・ロータほどの強固なコンビネーションではないとも思う。

ニーノ・ロータとフェリーニの最後の作品となった「オーケストラリハーサル」以降も、どれも素晴らしいんだけど、どこか欠けたような気がしてまうんだよな。

これも晩年の傑作です。

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