昔観て記憶が美化していた作品の皮膚を剥ぎ取ったら、中からトンデモ無い臓腑が「ぐぱぁっ」と出てきた様な体験をしてしまった。
初めて観た時に、前作から数時間後なのにヒロインの髪型が変わっているよなぁ・・・と思ったけど、そんな事は大した問題では無かった。
前作のダイジェスト映像から始まって、テーマ曲と共にダダァァァン!とタイトルが出てきた所で大興奮!
その後は画家ホーガスが描く「今時、英国にこんな施設があるかよ!」という地獄の様な精神病院を舞台に、悪魔のドクターが本物のヘルの扉を開くのだが・・・。
前作のダイジェスト映像はちゃんと入れるし、ストーリーとしてもつながりはあるし、皆が観たかった地獄が描かれるし、意地悪な継母は闇の女王としてパワーアップして帰ってくるし、前作の魔導師を凌駕する新キャラは登場するし・・・なんだかんだいって続編としては英国紳士的なマナーをわきまえた作品なんだが、どこでトンデモ映画になったんだろう?
出演を断ったアンドリュー・ロビンソンの不在も大きいよなぁ。
作品全体が血塗られたおもちゃ箱の様に色々な要素をぶち込んでいて、地獄の描写はエッシャーの絵が元ネタだけど、どこか『トロン』っぽくもあったり、犠牲者の血を吸うシーンは『スペースバンパイア』みたいだったり、改めて鑑賞すると、色々と元ネタが浮かぶ。
兎に角、闇鍋状態で粗もあるのだが、それを気合いで塗り固めていくのには圧倒される。凄い。
考えてみるとヒロインたちは、パズルを解く以外は特に何もしてないんだけど、そことは全然関係ない所で悪役達が自滅していく様も凄い。うわぁ・・・あはは・・・と、驚いて良いのか笑って良いのか戸惑っている間に物語は幕を閉じた・・・。
大英帝国のB級映画の底力を堪能した。ごちそうさま。
・・・女魔導師の演者が変わっていて・・・なんか違う。それだけは気になった。