Hagieen

東京流れ者のHagieenのレビュー・感想・評価

東京流れ者(1966年製作の映画)
3.6
鈴木清純監督、渡哲也主演。

かたぎとなった元やくざの倉田組は不動産業を営む。
対立していた大塚組が倉田のビルをだまし取ろうとし人が死んでしまう。
倉田組の元組員の哲は抗争になるのを避けるべく、殺人の汚名を着て日本全国へと逃走に流れていく。

鈴木清純監督の独特な照明と色彩感覚は既に発揮されていて、どこか舞台美術を観ているかのよう。
義理と人情に厚い真っ直ぐな元やくざな男を渡哲也が好演。
すらりとした身長とスタイル、アツい眼差しは昨今の俳優には無い魅力でカッコいい。
十メートル以内なら標的を外さないと、襲い掛かる追手を倒していく。
別の組にいて見限って流れ者になった元やくざ・流れ星の健を二谷英明が演じる。
西部警察と特捜最前線が共闘していたわけだ。

この作品は先述した鈴木清純監督の色彩感覚と、頻繁に流れる「東京流れ者」という歌が特徴だ。
その昔、大映ドラマ「スクールウォーズ」で松村雄基が「東京流れ者」を歌いながら不良たちをなぐり倒していたのだが、こんな渋い歌を当時のツッパリが知っている訳ない、と思いながら見ていた。
※にしても大映が日活をオマージュしてたのか。
ルーツを知らなかったが、先日TVでこの映画の渡哲也が歌っているシーンに遭遇しやっと謎が解けた。
この映画を観る動機は、ほぼこの歌を聴くためと言っても過言ではなかったが、鈴木清純監督だったこともアリ、当時の日本の雰囲気と共に楽しめて面白かった。

ちなみに脚本は「レインボーマン」「月光仮面」でおなじみの川内康範。スゲーw
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