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バルカン超特急のMrNobodyのレビュー・感想・評価

バルカン超特急(1938年製作の映画)
4.0
ヒッチコックがイギリスから渡米する直前の作品。
時期的には、第二次世界大戦直前でもあり、
作品の中でも、そんな不穏な時代背景も反映されている。

雪崩の影響で、架空のヨーロッパの国であるバンドリカで、列車が立ち往生。
冒頭はこのバンドリカのホテルが舞台となり、主要人物が、掘り下げられていく。
翌日、列車が動き始めるということで、みんな乗り込もうとするが、主人公のアイリスは、偶々、上から落ちてきた植木鉢が頭に当たってしまい負傷。列車内で休んで目を覚ますと、先程まで一緒にいた家庭教師のミス・フロイが、忽然と姿を消していることに気が付く。

列車内では、誰に聞いても、そんな女性は見てないという回答で、植木鉢で頭を打ったにせよ、
アイリスが誰も信じられなくなるのは当然。
飛行機機内でいなくなった娘を探す「フライトプラン」の設定は、ここから来てるんだなと改めて実感。

話はじわじわと面白くなってくるけど、まず、
サスペンスとコメディーのバランスが、よく保ててるなという驚き。
時代の不安さも感じることのできる名作。
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