1938年 イギリス映画 モノクロ
ヒッチコック22/53
もうだいぶ昔の話だが、ヒッチコック映画をリバイバルする企画があって、今まで知らなかったモノクロの映画、特にハリウッドに行く前のイギリス映画を含めてかなりの数の映画が再上映されたことがあった。
実は、私がヒッチコックファンになったのはこの時のことだ。
たくさん観た映画の中でどうしても忘れられない映画があった。それは主人公の若い女性が、列車の中で老婦人と知り合いになり、話しこむが、ついウトウトしている間に、その知り合った老夫人が忽然と姿を消すという話だ。周りの人達は誰も、貴方は元々一人だったと証言する。主人公は夢を見ていたのかと思いもするが、記憶がはっきりしていて気にかかる。
すごく興味深いストーリーなのに、何故かこの先が思い出せないのだ。
この映画が一番興味深く、気になって、その後、どうしてももう一度観たいと思っていたが、その映画の題名が思い出せない。ファンだといいながらこの程度だからいい加減なものなのだが。
実はその映画の題名は「バルカン超特急」に違いないと思っていて、何度か、この映画を観始めたが、前半のシーンを観ると、これは違うなと途中で諦め、観るのをやめていた。
今回、ヒッチコックを全作品観直そうと思い立ち、この映画を観ていたら、探していた映画だった。そうやっぱりこの映画だったのだ。
サスペンスの核心の部分は中盤以降、それまでは田舎のホテルの対応の悪さに辟易としながら、我慢を重ねなければ、その一番面白い部分にさしかからない。
本当にその老夫人は存在したのか、貴方の目で確かめて欲しい。
ヒッチコック、イギリス映画最後から二番目の映画。傑作だ。
2023.04.01視聴139