ドラミネーター

バルカン超特急のドラミネーターのネタバレレビュー・内容・結末

バルカン超特急(1938年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

本作をまず
「起」・・・列車に乗るまで
      (主にホテルでの出来事)
「承」・・・列車での出来事①
      (アイリスとミス・フロイの
      接触と、ミス・フロイの失踪
      及び捜索)
「転」   列車での出来事②
      (軍の襲撃による急展開)
「結」・・・下車後
      (アイリスとギルバートは結ば
      れ、外務省へ)
の4つの構成に分ける。

僕的には「承」の部分である列車の中でミス・フロイを探すところが最も面白かった。
アイリス就寝前のアイリスとミス・フロイの一連の行動・出来事を余すことなく活用して、アイリスが目を覚ましてからは、ミス・フロイの行方、いや、存在すらも巡ってどんどんと謎が高まっていくのである。
謎の高まりは、そのまま期待値の高まりでもあった。

だが、最後の「実はスパイだった」というオチ自体は大変意外で面白いと思うものの、そのオチの出し方が少しあっさりしすぎていたように感じる。
また、アイリスとギルバートの二人が外務省を訪れるとミス・フロイが生きていたことが判り、本作はそのままハッピーエンドを幕を閉じるが、この二つの点については、クラシック映画あるあるの「テンポの速さ」が悪く方に働いた感じが否めない。
ミス・フロイがスパイであるというのなら、自国・敵国の情勢や、ミス・フロイのスパイ活動の内容は最低限説明してほしいものである。
当時の時代背景でそういった内容を描くことができたかどうかは、調べていないので僕は存じていないが。

それはそうと、85年も前の映画をこうして楽しめるということは、やはり驚くべきことでありる。

モノクロはやはり役者の演技がいい。
表情がすごく繊細でリアル。