このレビューはネタバレを含みます
本作をまず
「起」・・・列車に乗るまで
(主にホテルでの出来事)
「承」・・・列車での出来事①
(アイリスとミス・フロイの
接触と、ミス・フロイの失踪
及び捜索)
「転」 列車での出来事②
(軍の襲撃による急展開)
「結」・・・下車後
(アイリスとギルバートは結ば
れ、外務省へ)
の4つの構成に分ける。
僕的には「承」の部分である列車の中でミス・フロイを探すところが最も面白かった。
アイリス就寝前のアイリスとミス・フロイの一連の行動・出来事を余すことなく活用して、アイリスが目を覚ましてからは、ミス・フロイの行方、いや、存在すらも巡ってどんどんと謎が高まっていくのである。
謎の高まりは、そのまま期待値の高まりでもあった。
だが、最後の「実はスパイだった」というオチ自体は大変意外で面白いと思うものの、そのオチの出し方が少しあっさりしすぎていたように感じる。
また、アイリスとギルバートの二人が外務省を訪れるとミス・フロイが生きていたことが判り、本作はそのままハッピーエンドを幕を閉じるが、この二つの点については、クラシック映画あるあるの「テンポの速さ」が悪く方に働いた感じが否めない。
ミス・フロイがスパイであるというのなら、自国・敵国の情勢や、ミス・フロイのスパイ活動の内容は最低限説明してほしいものである。
当時の時代背景でそういった内容を描くことができたかどうかは、調べていないので僕は存じていないが。
それはそうと、85年も前の映画をこうして楽しめるということは、やはり驚くべきことでありる。
モノクロはやはり役者の演技がいい。
表情がすごく繊細でリアル。