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バルカン超特急のYAEPINのレビュー・感想・評価

バルカン超特急(1938年製作の映画)
4.3
考え抜かれた一分の隙もない構図が続き、とても1930年代の作品に思えない。
ヒッチコック恐るべし…。

なんとなくの事前知識はあったものの、真相を知ったときにはハッとしたし、密室で殺人が起きるより密室で人が行方不明になる方が恐ろしく不可解なため、謎解きパートもワクワクした。
真相が明らかになってからもしばらくドタバタは続き、最後まで飽きがこない。
アクションをうんと派手にして、車内の装飾や山小屋のデザインを可愛くしてリメイクしたら面白そう。

特急に乗るまでのシーンが意外と長く、「違う作品を再生しちゃったか?」と焦る。
メイドとのコミカルなやり取りや、裕福なアメリカ人ガールズがはしゃぐくだりなど、終わってみれば必要なシーンだったのかよく分からない。
しかも、最初はクリケット狂いのイギリス紳士2名に焦点が当てられていたので、てっきり彼らが主体となって謎を解決していくのかと思いきや、最初から最後までクリケットのことしか気にしていなくて笑ってしまった。
ただ、前半のホンワカした旅ドラマのようなパートがあってこそ、後半の展開の重さに振り回されたので、観客を撹乱する意図があったと思われる。
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