荒野の森くま

荒木又右衛門の荒野の森くまのレビュー・感想・評価

荒木又右衛門(1955年製作の映画)
3.0
川合又五郎に弟を斬られた渡辺数馬が義兄荒木又右衛門(先代松本幸四郎)の力を借りて復讐する伊賀越えの仇討ち。
今まで見たなかでいちばん又五郎(のちの東映時代も大木実はダークサイドに墜ちやすい心の弱い人物役多数)に同情的で、斬られた弟くんも非があるように描かれてる。

長谷川伸の原作が文庫で上下2巻ものでこの映画も長いが起承転結がしっかりして事件の概要がわかりやすい、が甚左(小沢栄)の部分が弱い、この物語は又右衛門と甚左との友情と知恵比べが最大の見所なのにねぇ。

森一生の『決闘鍵屋の辻』と似たシーンやセリフが多いのは同じ事件を題材にしてるから仕方ないが各シーンが森版の50%の踏み込み具合で物足りない。