前半はダメな芸人夫婦の生き様、中盤は開き直ってタブーに言葉で切り込んでいく隆盛、そして終盤は有名になった事による抑圧...こんな2時間で収まらないような人生を歩んだ人が本当に存在していたことがまず驚き。作品としての出来は確かに高いのだが、個人的にはボブ・フォッシーの演出とかが以前から微妙に合わないのに加え、レニーをはじめとした登場人物がひたすら自分の尖った感情やエゴを吐き出す時間が続くので、ドラマとして気持ちを寄り添わせて観るタイプの自分には厳しかったなあ、というのが率直な印象。まあ、ダスティン・ホフマンの演技が凄すぎたからこそ感じるエグみかもしれないが...
