さくらえび

レニー・ブルースのさくらえびのレビュー・感想・評価

レニー・ブルース(1974年製作の映画)
5.0
実在したスタンダップコメディアン、レニー・ブルースの生涯を描いた映画。
辛辣なジョークや汚い言葉を使い人気を博したレニー・ブルースは、権力から目をつけられる。彼は10度ほど逮捕された。クスリを使った罪や、汚い言葉を使った罪だ。彼が使った言葉は“fuck”とか“ass”とか。今では、それほどは問題視されなくなった言葉。
彼は権力による言葉の弾圧を批判した。その主張の全てに賛成ではないが、彼の言葉は素直で心に響くものだった。何より彼の言葉に観客は笑っていた。僕も笑った。
晩年、繰り返し逮捕されクスリに依存して疲弊しきった彼は取り憑かれたかのようにステージで言葉を吐き出す。それはもう、笑えるものではなかった。

生まれた時代がはやすぎたレニー・ブルース。だからこそ、時代の寵児となったレニー・ブルース。
その人生を見せつけられて、彼の事がとても好きになりました。勿論、演じたダスティン・ホフマンの力も大きいですが。

この映画を見てからボブ・ディランの“lenny bruce”を聴くとめちゃくちゃ哀愁を感じる。