stanleyk2001

仁義なき戦い 完結篇のstanleyk2001のレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 完結篇(1974年製作の映画)
3.8
「仁義なき戦い完結編」1974

武田「ワシらの時代は終わったんじゃ。落ち着いたら一回飲まんかい」
広能「そっちとは飲まん。死んだもんにすまんけえのう」

「仁義なき戦い」は最初から五部作として構想されたのではない。一作目がヒットしてプロデューサーから二作目を依頼された笠原和夫さんは一作めの続きの話は現役のヤクザが存命だから書けないと断ったが懇願されて二作目を書いた。だから二作目「広島死闘編」の主人公は広能ではなく村岡組の山中正治(北王路欣也)

二作目もヒットして三作目「代理戦争」「頂上作戦」で完結した。しかしプロデューサーは五匹目のドジョウを狙って笠原和夫さんに依頼したが「もう、物語は完結している」と断った。だから「完結編」の脚本は高田宏治さん。

「頂上作戦」でシリーズは完結しているので「完結編」は敬遠していたがNetflixで見つけて観てみた。

観た感想は
・人物関係がよく分かる脚本
・俳優の熱量が凄かった。特に北王路さん
・広島ヤクザ戦後25年の総括としてまとまっていた
・撮影機材が進歩して画面が鮮明だった

桜木健一が襲撃されたのは藤純子主演「女渡世人」(1971)上映中の映画館の前。祭りの屋台でぶら下がっているのは仮面ライダーV3のお面。

実録ヤクザ映画の中で任侠映画の看板を見るのはなんか不思議な感じ。V3のお面を見ると自分のいる現実と映画の中の世界が地続きと感じた。

つい先日もヤクザの組事務所に自動車をバックで突っ込ませるという事件があった。六代目山口組と神戸山口組も暗闘も続いている様だ。

暴対法でやくざの資金源は枯渇しつつあるとはいうもののまだまだ仁義なき戦いは現実世界でも続いている。完結していないのだ。
stanleyk2001

stanleyk2001