金春色

二十歳の死の金春色のレビュー・感想・評価

二十歳の死(1991年製作の映画)
4.0
二十歳の青年の自殺未遂に集まる親戚一同。親戚といっても温度差があり、青年の心配をしている人間はいったい何人いるのかという状況。同世代の若者たちには死はまだ遠い先の話と思っていて現実味がないのかもしれないし、深刻に捉えてしまえば死にゆくことを認めることになると普段通りバカげた振る舞いをしているのかもしれない。大人たちにとっては自分たちよりはるかに若いのに死を選ぶことに理解ができないのかもしれない。それでいて一族には死の匂いが連綿と漂っていて、そういう一族だからあり得ないことでもないという捉え方も。不穏な空気が流れ続ける中、生者と死者のコントラストを強く感じるラスト。
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