狂王キシリトールヴィヒ2世

夏の嵐の狂王キシリトールヴィヒ2世のレビュー・感想・評価

夏の嵐(1954年製作の映画)
4.8
熱情に突き動かされることが人の営みであり、それによって歴史は築かれる。確たる理由もなく無価値とも思えるものに追いたてられる人生の喜びと虚しさ。国を人を愛すること、そして反対に憎むこと。熱量をドライに見つめる眼差しは愛国心やロマンスといった価値観の枠を超越する。信念に燃える人たちによる計算された軍隊の動き、情熱的なロマンス、享楽的な生活、それらにはただ等しく死がまっている。意味なんてないただ目の前にある無常は常に美しくて感動的でそれはもうそこに人間がいるということでしかない。時にはむしろできることならずっと、盲目的な感激屋でありたい。