アー君

未来惑星ザルドスのアー君のレビュー・感想・評価

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)
3.2
昨年から4K版が公開されていた事は知っていたのだが、体調不良のためスケジュールが調整できずに断念したのだが、名画座で公開の情報を知り映画館に足を運んだ次第である。

過去のレビューでも述べていたが、深夜番組で見た記憶はあったが憶えていたシーンは最初ぐらいで、ほぼ忘れていた。

空に浮かぶ顔の石像は本編でも絵が飾られていたが、マグリット「ピレネーの城」をヒントにしていたのは妙を得ている。浮世絵やビアズレーのカットが一瞬あったが、映像はシュールというよりも雰囲気的にはキッチュだが、低予算でありながらも面白い世界観だと思う。

ストーリーはいかにもB級SFという感じであまり面白くはなかったが、背景のボルテックスは人類が求めたユートピア像に神格性を取り入れて具現的に描いており、それは現在抱えている死生観や格差問題のようでもあった。また指輪のようなアイテムに話しかけると自然言語で答える道具があったが、話題のChat GPTやSiriのような現在のガジェットを連想させており、当時としては斬新なアイデアだと思う。

シャーロット・ランプリングは最近見たのが「ベネデッタ」だったので、本作は20代らしいが、まあ若いなあ。赤フンドシ笑のショーン・コネリーも同様だけど007前後なのに仕事として割り切ったとしても役者は大変である。

(前回のレビューを新編集による再投稿)
[新文芸坐 10:30〜]
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