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未来惑星ザルドスのsymaxのレビュー・感想・評価

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)
3.6
"私は、アーサー・フレイン…そして、ザルドス…これからの物語は神秘と陰謀だけでなく、皮肉と諷刺に満ちているのだ…近い未来の話と思ってもらいたい…ありうる話だ…"

"銃は善、性器は悪…"

エターナルズの楽園"ボルテックス"に放たれた撲滅戦士ゼッド…彼は"解放者"か?それとも…

カルトな哲学的SF作品が4Kとして蘇っての劇場公開となれば…これは観なくては…

ザルドス本人の口上から物語は始まり、横山光輝の傑作漫画"マーズ"に登場するウラヌスの様な空飛ぶ頭の口からは大量の武器が…実にシュール…

遠い未来、永遠人《エターナルズ》と獣人《ブルータルズ》に二極化された世界…神ザルドスに選ばれし撲滅戦士《エクスターミネーター》が獣人達を狩り、奴隷として働かせ食糧を楽園に運ぶ…

"生と死"、"愛と性"、"神と人間"…それこそ、色々なテーマを007で脂が乗り切った頃の色気ムンムンのショーン・コネリーが赤褌一丁で走りまくる…超ヘンテコ映画…とは言え、SF作品の中だけであったディストピアな世界が、今や刻々と現実のモノになりそうな現在において、ジョン・ブアマン監督渾身の一作である本作が内在するテーマは重いと思います。

まぁ、50年近い前の作品ですから、当時の社会を反映したであろうトリップ感は微笑ましくもありますが、クライマックスの阿鼻叫喚な美しさとラストの画柄は一見の価値があると強く思います…ヘンテコですが…
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