とらキチ

未来惑星ザルドスのとらキチのレビュー・感想・評価

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)
4.0
赤フン姿のショーン・コネリー……この強烈なビジュアルを拝むだけでも価値がある!とでも言うべきカルト映画。基本ずっとあの格好で大熱演!ショーン・コネリーともあろう人が、ようやるわ…って思ってしまった(苦笑)。
今回の鑑賞するにあたっては、ネットで“鑑賞のしおり21世紀版”なるものを見つけ、あらかじめそれを読んで設定等を予習してから臨んだので、序盤中盤と行われている事はなんとなく理解出来たし着いていけた。基本劇中での説明がほぼ無いので、“難解映画”とされてしまうのも仕方ないのかなぁ…という感じ。それでも終盤のあのサイケデリックでアバンギャルドな映像表現に溢れたカオスな展開となってからは、やっぱりちんぷんかんぷんで理解不能…。まぁ、“限りあるもの”だからこそ輝くのだし意義がある、という事を言いたかったんだろうなぁ…とは感じましたが。
これだけ哲学的で難解な内容を106分という尺に収めたというのは驚き。そして100万ドルという低予算で撮ったというのには更にビックリ。おそらく殆どがショーン・コネリーのギャラとあの“ザルドス”の造型に費やされたと思われるけど。だから全体的にはチープな雰囲気が漂っている。でもそこに当時の人達の何とも言えない“情熱”が篭っているように見えた。最新のVFXを駆使し、イケメンマッチョな役者を使ってリメイクすれば…なんて声が出てきそうだけど、ちょっとやそこらでは、今作で感じられる“味”というものは絶対再現出来ないと思う。この時代だからこその“何か”があったし、それ故の“カルト”なのだと。
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