剣々

或る夜の出来事の剣々のレビュー・感想・評価

或る夜の出来事(1934年製作の映画)
4.0
記者と令嬢のボーイミーツガール

銀行家アンドリュースの娘エリーは、父に飛行士のウェストリーとの結婚を反対される
怒った彼女は船から飛び降り逃げ出しニューヨークへ向かう長距離バスに乗り込む
そんなバスに乗り合わせたのは上司と揉め失業中の記者ピーターだった
エリーの正体に気づいたピーターは彼女のことを記事にしようと協力を持ちかける
そして2人の関係性は次第に変化を見せる……

第7回アカデミー賞で主要5部門にノミネートされ5部門とも受賞したフランク・キャプラの傑作
失職した新聞記者と親元から逃げた令嬢のボーイミーツガールを軸に物語は展開されます
単純に2人が出会って恋に落ちるわけではない物語がこれまた素敵

まずこの記者ピーターを演じるクラーク・ゲーブルがカッコいい!
スーツもビシッと着こなし、乱暴な言動はあれど頭も切れユーモアがあり根幹は結構紳士的
一晩を共にする時は間に毛布で作ったジェリコの壁を築き尊厳を守るのが印象的でした
このジェリコの壁がまた良い演出なんですよ
ちなみにWalls of Jerichoと聞くと真っ先にクリス・ジェリコが思い浮かぶのは内緒

ヒロインのエリーは気が強く煙草を燻らせるのが様になる強いタイプの女性だと思っていたら、旅路が進むにつれて段々とキュートになっていく!
これが恋心のなせる技かと言わんばかりにクールから可愛らしい印象に様変わりした様に感じました

初めは正直あまりハマらなかったのですが、コミカルさが出てきたりする中盤以降ドンドン面白くなりますね
ただのボーイミーツガールに終わらない物語構成がまさにお見事です!
登場人物の魅力もだんだんわかり始め気付けばこの映画にハマってました
個人的に序盤と終盤で印象が1番変わったのはエリーの父親でした
初めは娘の気持ちを考えない身勝手な父親に見えたのが、気付けば娘思いで人間を見る目も確かな良い父親になってるんですもの

2人の旅路と気持ちの変化に心惹かれる作品でした


【雑記】
今回のまだ観てないん会でした
偉業を成し遂げた作品だけあって面白かった!

次回については、今回投票がバラけたこともあるので本作を除いてもう一度再投票にしたいと思います
私のプロフィール欄の決選投票フォームよりご応募お待ちしています

2回目なので期日は10/8(土)とさせていただきます
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