フランク・キャプラ絶頂期の傑作。
終始明るい気分で楽しめた。
ストーリー的にはまぁ他愛のないボーイミーツガールもの。
ぱっと見、それぞれチョビ髭と極細アーチ眉がクラシカルすぎて微妙に思えるクラーク・ゲーブルとクローデット・コルベール。
でも演技には隙がないし、洗練された会話が冴えまくってて、そんなのどうでもよくなる。いや、2人ともとっても魅力的に見えてくるから不思議!
NYへの道中、意地を張り合いクールを装う2人がキュート。
つまるところ、似たもの同士なんだろうなぁ。
部屋の真ん中にロープを張り、毛布をかけた「ジェリコの壁」
スカートをまくって脚を見せるヒッチハイク
コーヒーに浸して食べるドーナツ
素肌にワイシャツ
生にんじん
干し草ベッド
一つひとつのディテールが愛おしい。
こんな昔にも今とそれほど変わらない長距離バス(マイアミ→NY)やモーテルがあったとか、1930's当時の風俗も興味深かった。
モーテルの部屋に捜査が入って2人が即興でする一芝居も感心しつつ笑える。
そしてお父さん!
娘をエゴでコントロールしたがるアタマの堅い頑固親父と思いきや、粋な計らいでニヤリ。そしてほっこり。
いかにもこの時代のハリウッドらしい安心安全設計の中に垣間見える、ワイルダーにも通じる洗練されたユーモアが好き。