あーさん

或る夜の出来事のあーさんのレビュー・感想・評価

或る夜の出来事(1934年製作の映画)
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先延ばしにするのはやめよう!シリーズ6

"IT HAPPENED ONE NIGHT"

"素晴らしき哉、人生!"で大好きになったフランク・キャプラ監督作。
今作はその年の(1935年)アカデミー賞5部門独占受賞、と聞けば、どうしても観たくなるものだが、この度やっとの鑑賞。

モノクロで、フイルムのせいなのかこの頃の流行りなのか?ソフト・フォーカス過ぎるのがちょっと気になったりして。

或る夜の、、と言いつつ結構長いこと一緒にいるよね…笑
最初はお互い袖にしたり反発し合う2人がだんだん惹かれあって…という典型的なロマンチック・コメディ。
かの"ローマの休日"は、ここからインスパイアされたよう。

今作では"風と共に去りぬ"でお馴染みのクラーク・ゲーブルが新聞記者のピーター役。
ヒロインのお金持ちの我儘なご令嬢、エリー役はクローデット・コルベール。
名前でピンとこなかったけれど、どこかで見た顔。。作品を調べてみると、そうだ!"クレオパトラ"!あの映画は、子ども心ながら、お色気シーンにドキドキしたっけ。。
ディードリヒのような細ーい眉は、この頃の流行り?この方、30〜40年代にスクリューボールコメディで人気を博した女優さんだとか(Wikipediaより)。

一目惚れで決めたプレーボーイの飛行士との結婚を父親に反対され、乗っていた船から海に飛び込んで逃げ出したエリー。
その後、ひょんなことからエリーの婚約者のいるニューヨークへと旅をすることになった(目下、失業中)新聞記者のピーターと二人のドタバタ逃避行。
その珍道中が楽しい!
エリーは、名前も顔も世間に知られたご令嬢。それがいつバレないか、ハラハラ、ドキドキ。お嬢様過ぎてお金もカバンも失くしてしまって、さぁどうする⁈

女はこういう"間に合う男"に弱いんだよね〜ぶっきらぼうだけどここぞという所は紳士だし、ピンチも何のその、時にワイルドに、時にはコミカルに、どこ吹く風で切り抜けていくピーターが素敵!

バスの中の楽師と乗客たちの歌が、ものすごく楽しい。(ヒッチハイクで車に乗せてくれた男が朗々と歌い過ぎるシーンも好き!)

ジェリコの壁の例えが、結構最後まで効いてくるな。。笑

何も知らない婚約者が、ちょっとかわいそうな気もするけれど、こういう軽いタッチの作品、楽しくて良いなぁ〜エピソードの一つ一つがお茶目だったり笑えたり。

子ども子どもしていたエリーも、いつの間にか大人の女性に成長してたりして。
筋の通った厳しい男に教育されるのは、私も好き好き!笑

観た後に
いやぁ、映画って本当に良いもんですね〜
って言いたくなる!

"アパートの鍵貸します"なんかも好きだけど、こちらもなかなか。
何が良いって、最近の作品にありがちな下品な言葉やシーンが一切ないこと。
要するに、ユーモラスで上質な安心して観られるコメディ。

ラストは大体想像できちゃうけど、これがまたキャプラ流なんだなぁ。。
やっぱり好きだ♡


付き合いたてのカップルで観るのに、ちょうど良いんじゃないかな〜
尺も100分くらいで長過ぎず、好きな人と観るの、オススメします!
あーさん

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