和桜

或る夜の出来事の和桜のレビュー・感想・評価

或る夜の出来事(1934年製作の映画)
4.0
大好きなフランク・キャプラ監督作品。
結婚を反対されたわがままで世間知らずなお嬢様が、ダイナミックな家出をするシーンから始まるロマンティック・コメディ。彼に会いに行く途中で新聞社をクビになった男に何度も助けられ、共に旅をすることになった二人。お互いに文句を言いながら、旅路の中でかけがえのない存在になっていくロードムービーの先駆けでもある。

公開されたのが1934年で、社会背景としては世界恐慌からようやく抜け出し始めた時期。現代から見てもニヤけてしまうこの映画が、そんな時代にどう受け入れられたか。それはアカデミー賞五部門制覇という、長い間打ち破られなかった記録が証明してる。きっと大勢の人間を笑顔にし時代を後押ししたはず。映画って良いよね。
大富豪のお父さんがかなり良い人なのもここら辺と関係があるように思う。

「人生は思うようにならない、恋を手に入れたのに土壇場で台無しだ」からの展開がこの監督らしくて大好きなところで、ラスト数分で幸せな気分にさせてくれる。欲を言えば毎回もう少し先まで見たいんだけど、ここで終わらせてしまうのは余韻が残ってまた良い。
ドーナツをコーヒーに付ける際は素早く、ヒッチハイクのコツは親指、密かに抱いていた恋人を連れて行きたい場所の話等々、何度見ても愛おしすぎる二人が大好き。
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