浅野公喜

炎の肖像の浅野公喜のレビュー・感想・評価

炎の肖像(1974年製作の映画)
3.0
ジュリーことケンジ・サワダが「勝手にしやがれ」と言いたくなるものの「時の過ぎゆくままに」その身を任す「憎みきれないろくでなし」の売れっ子歌手を演じるセルフパロディ的初主演作品。

アイドル映画という感じでもなく、途中途中コンサート映像を挟みつつトラックに乗せてもらって放浪したり女性をボートに乗っけるけど途中で置きざりにしたり喧嘩したりと無軌道で一人の人物としての深掘りも無くあまり面白くない(笑)。街中で「俺はジュリーだぞ!」と叫んだりゲリラ撮影なのか周りの人達が注目していたりする所はちょっと新鮮でしたし、レコード店では当時ヒットした「追憶」が流れていることでその頃の雰囲気を知れるのは良かったですが。

それでも複数のダンサーが付き、華やかなステージの「ロックンロール・サーカス」と銘打ったコンサート映像は貴重で、アルバム「JULIEⅥ~ある青春」収録の「気になるお前」、ストーンズの「Honky Tonk Women」のカバー等を披露しジュリーの全盛期の歌唱とビジュアル、井上堯之バンドの演奏が楽しめます。

余談ですが2013年にコンサートに行きました。ビジュアルこそ「あどで~」と言いそうな感じに変化しましたが歌唱力は全く衰えておらず驚いた記憶が有ります。ちなみに大ヒットしなかったけど好きなジュリーの曲は「ロンリーウルフ」と「晴れのちブルーボーイ」、「灰とダイヤモンド」です。
浅野公喜

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