福福吉吉

ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ…の福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.5
◆あらすじ◆
キャロル・アンは親元を離れ、都会の高層マンションに住む叔父夫婦のところで暮らし始めていた。しかし、黒衣の牧師・ケインが再びキャロル・アンの前に現れ、襲いかかってくる。

◆感想◆
「ポルターガイスト2」(1986年)の続編となります。

高層マンションに舞台を変えて、キャロル・アン(ヘザー・オルーク)を狙って黒衣の牧師・ケイン(ネイザン・デーヴィス)が現れ、超常現象を巻き起こす様子を描いた作品になっています。キャストとして、1作目からキャロル・アン、タンジーナ(ゼルダ・ルビンスタイン)が引き続いて出演しており、シリーズの繋がりを感じました。

本作では1作目からの地理的な意味合いは薄れ、ただキャロル・アンのみに焦点が当たっており、黒衣の牧師・ケインとキャロル・アンの対決を軸にストーリーが進行していきます。そして、叔父夫婦がキャロル・アンの味方となりますが、叔父夫婦がキャロル・アンを訝しむところがあり、ケインはそれを利用してキャロル・アンを孤立させようとします。この点はとても面白かったのですが、前作までの「家族愛」という重みが薄く、その点で幕引きに説得力や感動が少なかったように思いました。

しかし、ホラー演出として、鏡張りの高層マンションの中で、鏡を利用した超常現象、凍りついた異界という設定など本作ならではの独自性があって、その部分は楽しかったです。

キャロル・アン演じるヘザー・オルークが持つ神秘的な雰囲気が本作でも作品を特別なものにしており、彼女なしに本シリーズの成功は無かったと思います。それゆえに若くして逝去されたことが残念でなりません。

なかなか面白かったと思います。ラストが唐突に感じましたが、本作をもって幕引きとした判断は良かったと思います。

鑑賞日:2023年10月24日
鑑賞方法:ビデオマーケット
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