めちゃくちゃ有名なこの作品。今さらになって初めて観賞。
こんな奇抜な映画だったのか～。とにかく発想が面白いね。
映像内ではこれといって世間の倫理観を差し挟むような描写もないから、事の真相に気づいて焦燥感に駆られるトゥルーマンとは対称的に、物語としてはかなりドライな印象を受けました。
途中からは不気味さというか、まるでホラーのような薄気味悪さも感じたよ。
造られた世界、演技する人々、操作された出来事、もっともらしい家族、安全な人生。
偽物の世界であっても、知らないままであれば満ち足りた一生を送れるとすると、無知とはある意味幸せなのでしょうか。
メディアの偏向報道、一律化されたネットの情報、バイアスに満ちた世論、固定化された価値観、環境によって育まれるイデオロギー。
現実の世界であっても、国の柵の中で生かされている私たちは、結局はトゥルーマンと同じなのでしょうか。
そんな疑念がぐーるぐーると頭の中を回る作品でした。
