寝るのだいじ

トゥルーマン・ショーの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

全てが用意された世界で、作為的に生かされていた男の話。

ここまで作為的じゃなくとも、少し前の大家族番組や現代の恋愛リアリティーショーも同じ気持ち悪さがある。
本人は本気で生きているつもりだが、多かれ少なかれ用意されたシナリオ。実は見えない所から不特定多数が楽しみにしている画、これを商売にしている仕組み。
この作品で気持ち悪いと思わない人が、下世話なリアリティーショー好きなのかな。本作に出てきた視聴者全員も気持ち悪い。

映像に映っている物の全てが商品になっており、カタログまであり収入源の一つという設定も面白かった。30年来のトゥルーマンのファンや、現代の病み系やぴえん系などキャラクターに所属したいような人がトゥルーマンになりきったパターンもありそう。

トゥルーマンショー症候群というものが実在するらしく、本作同様に「誰かに操られて生かされている」と思い込む症状らしい。そうとしか思えないくらい、理不尽で誰かに強いたげられている人がままいるということが悲しい。

ジム・キャリーさんの日本語吹替が山寺宏一さんではないだろうと思って調べたら、高木渉さんだとわかった。本作では『マスク』より高木さんだとはっきりとわかる声だった。

30年も追跡する為に、閉鎖的な島を作り、固定はもちろん指輪や服のボタンなどにもカメラが仕込んであり、映画作品としても、作中の番組としても観ていて面白かった。アングルが変わったり、映像の変化に富んでいた。