寓意を様式的に表現する今作に、深い味わいは感じなかった。
痛々しい笑顔で去っていく主人公。自立する子どもが故郷に告げる"さようなら"に近い?
でも30年という時が長すぎた。なかったことにはできない。
すっきりしないラストだった。
冷静に咀嚼してもあの着地の仕方じゃ、風刺映画なのか、激励映画なのか分からなかった。人間批判?人間賛美?、
与えられた人生をそのまま受け入れることは容易だ。予定調和な人生は安心だけどときめかない。
傍観者は極めて無責任だから、自分で自分の人生に責任をとるしかない。
考察のしがいがあるから、この知名度には納得。