言ってしまえば超能力少女キャリーがプッツンしてしまう話なのだが、プッツンするまでの過程を丁寧に描くことでかなり奥行きのあるホラー映画になっている。例えばキャリーの家庭事情がどうなっていて、お母さんがどんな人物で、同級生が何を考えていて、同級生とキャリーの心情にどういう変化があって……というのを細かく描くことで、観客側もキャリーのプッツンに対してそりゃそうなるわ! と充分に納得できる仕組みになっている。そして、プッツン後の画としての瞬発力も相当なもの。ホラーとしてはそこまで怖くないが、よく出来た映画である。