湯っ子

キャリーの湯っ子のレビュー・感想・評価

キャリー(1976年製作の映画)
4.0
誰も幸せにならない…悲しいお話。

何歳だったんだろ?大昔テレビで観た。私の記憶に残っていたのは、冒頭のシャワーのシーンと、目を左右させてお母さんにナイフを投げるシーン。やはり今回観ても強烈に恐ろしかった。
シャワーのシーンでキャリーが血だらけなのは、いじめられてケガしたのかと思ってたから、あの意味もわからないくらい小さい頃だったみたい。今回観てあのシーンの意味がわかった。母と一緒に観ていたんだけど、母もよく止めなかったなぁ…、

キャリーを演じたシシー・スペイセクの素晴らしさよ。おどおどして野暮ったくも、ドレスアップして美しくも、怒りに覚醒して怪物にもなれる。能面が角度で表情を変えるみたいに、特殊メイクなんか使わずに全く違う顔になる。
プロムの時のキャリーは本当に輝いていた。そしてドレスメイキングの名手でもあった。シンプルなドレスにブーケ素敵。くるくる回るダンスシーンもなんとなく覚えていた。あのシーンは多幸感に満ちていて、その後の展開を知っていても、やめて!早く止めて!と心で叫んでしまった。

あの恐ろしいお母さんも、きっとものすごく厳格な家庭で育ったのだろうし、夫に捨てられたショックからタガが外れたのかもしれないよね…、
あそこまでひどいことをするいじめっ子の生活歴や家庭環境も気になってしまったりね…、だってあれのためにあれしてあれをタンクに汲んできてるわけだからさあ。

全く救いがない話。負のエンタメとして振り切ってる。トラウマ映画としていじめや児童虐待の抑止力となることを期待できる?のか?
湯っ子

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