主人公役はオファーなのか、自薦なのか。
E.ペロンの生涯とマドンナの半生がオーヴァーラップして見えます。
そして、情熱的で哀愁もあり、かつ荘厳さも兼ね備えたあの主題歌、聴くたびに胸が熱くなります。
アルゼンチンに限らず、南米は社会民主的左派政権と、それを良しとしないアメリカを後ろ盾にした右派軍事政権の対立の歴史であります。
しかし、確実に言えるのは何度潰されても必ず民衆に支えられた民主的政権が復活することです。やはり情熱的なラテンの血がそうさせるのでしょう。この作品を観るとそれがよくわかります。どんなに無能な政権でも、諦めと冷笑、無関心で見て見ぬふりをするアジアのどこかの国とは真反対です。
E.ペロンの功罪についてはさまざまあるのでしょう。あそこまでの熱狂的な支持というのも高度な情報化社会の今では考えにくいことです。副大統領にというのも、流石に政治の私物化として批判されてもいたしかたありません。
しかし、無能な政権を諦めと冷笑、無関心で見て見ぬふりをするこの国の人々にも、あのレベルの半分、いや1/3でも熱気があれば世の中を変えられるかもしれないという意識だけは持ってほしい。
NHK-BSでの今回の放映には、そういう意味あいがあるのではないかと感じました。